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#036 すれ違い

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#036 すれ違い

 

 

 

今日はいつもより早く仕事を終わらせた。
 
 
 
そして、普段はしない化粧直しを終え、
その時をむかえた。
 
 
 
 
玄関のベルが鳴る。
 
 
 
緊張する気持ちを必死に抑えて、
彼を招き入れた。
 
 
 
久しぶりに彼と目を合わせる現実が
夢を見ているようだった。
 
 
 
スカイ:お邪魔しま〜す
 
 
 
キョロキョロと見渡しながら、
リビングまで案内する私についてくる。
 
 
 
その仕草が、彼の香りが、足音が、
全てに懐かしさを感じた。
 
 
 
 
〇〇:ここに座ってて!
 
 
 
彼をソファーに座らせ、
飲み物を取りに台所へ向かった。
 
 
 
そこから、また彼の後姿を見つめる。
 
 
 
ずっと心臓がドキドキしているのを
感じた。
 
 
 
スカイ:あ、ねぇ!これ好きなケーキ買ってきたよ!
 
 
 
突然振り向いたので、ビックリした顔を
したまま、また目が合ってしまった。
 
 
 
〇〇:!!!あ、うん!
ありがとう!
 
 
 
色々と準備をして、スカイの前に座った。
 
 
 
 
お互い、気まずい雰囲気は初めから感じていた。
 
 
 
少し沈黙した後に、スカイが話しはじめた。
 
 
 
 
スカイ:お疲れ様。
またこうして会ってくれて、ありがとう。
 
〇〇:うん。
 
スカイ:もう、隠しても無駄だと思うから伝えちゃうけど……。
僕達、またやり直せないかな?
 
〇〇:…え?
 
   
 

こういう事を言われるとは思っていたけど、
唐突すぎて…、もっと他に色々と話してから
そういう流れになるとばかり思っていた。
 
 
 
嬉しさもあったが、浮かぶ想いは
リュヲンちゃんとはどうなったの?という
気持ちだった。
 
 
 
 
 
スカイ:ごめん。いきなり…。
ずっと言いたかったから…つい口走った。
 
〇〇:そうだね…、驚いたよ。
 
スカイ:いいかな?
 
〇〇:あの、リュヲンちゃんとはあれからどうなったの?
 
スカイ:リュヲンとは、距離をとることにした。
〇〇と別れてからも付き合ってはないけど、
周りからみたら特別な関係って思われるくらいには一緒に居たと思うし、
お互いそれくらい知ってると思う。
 
〇〇:………うん。うん?
じゃあ、何で私と戻りたいの?
 
スカイ:リュヲンと一緒に居ても、〇〇の事を考えちゃうんだ…。
あ〜、今頃どうしてるのかなとか、
この景色見せたいなとか、一緒に食べたいなとか。。。。。
 
〇〇:うん…。
 
スカイ:で、この前ジョイヒョンが〇〇の家から出てきた事を知って、
凄く自分の行動を後悔した。
今まで何をやってたんだろうって…。
愛してるのは、〇〇しかいないのに本当に何やってたんだって。
 
〇〇:うん。
 
スカイ:ヒョン達がいくら〇〇を好きでも、
〇〇は僕の事を好きでいてくれるって、
何処か心の奥でそう思ってたから…。
 
〇〇:凄い自信(笑)
 
スカイ:だって、それくらいお互い想い合ってたでしょ?
 
〇〇:そうだけど…。
それを壊したのは、スカイだよ。
 
スカイ:…。
 
〇〇:あのさ、、、。
言ってることハチャメチャだよ。。。
私がそれで、はい、また付き合える!ヤッター!ってなるとでも(笑)?
 
スカイ:……違う?
 
 
 
 
 
確かに、嬉しい。
ずっっと待っていた。この日を。
 
 
だから、スカイが言ってる事を理解は出来る。
 
だけど…。
今の子供のような言い訳みたいな言葉で
はい、分かりました。
スキだから許します。
と、言えるほど私は大人じゃなかった。
 
 
 
むしろ、今の感情はスカイにあれ程会いたかったはずなのに、
不思議な感覚だった。
 
 
嬉しいと思ったのに、
私も好きだったと手放しで喜び合うのを
想像していたのに、何とも言い難い気持ちになってしまった。
 
 
 
そして、子供というワードが頭に過ぎった瞬間、
ジョイの事を考えてしまう私がいた。
 
 
 
彼はどういう気持ちで、私とスカイを会わせたのだろう…。
 
 
スカイが心配とか言ってたけど…。
案外、普通そうに見えるけどな〜。
 
 
そして今、どうしてるのかな…。
 
 
 
 

スカイ:ねぇ?違うの?
 
〇〇:……。
 
スカイ:やっぱりヒョンにいっちゃうの?
 
〇〇:……。
私達、会うの早かったのかもしれないね?
もっとリュヲンちゃんとの事をハッキリさせてから来てほしかった。
 
スカイ:僕はハッキリしてるよ?
 
〇〇:してないよ…。
 
スカイ:どうしたらいいの?
 
〇〇:私にも分からない。。。
でも、今のスカイの言葉はリュヲンちゃんなら喜ぶことなんだと思う。
 
スカイ:……。
 
 
スカイは下を向いたまま考え込んでしまった。
 
 
 
〇〇:…。
ごめん、もう解散しよう?
私達って何だろうね(笑)
変な感じになっちゃった(笑)
 
スカイ:ねぇ、前みたいになれない?
付き合わなくてもいいから、
連絡取り合おうよ?
 
〇〇:そうだね。
 
 
 
と、嘘の笑顔を向ける。
 
 

スカイ:やった〜。
 
 
 
もう、嫌だとか言って話を引き伸ばしたくもなかった。
 
 

 
こんな嘘も見抜けなくなった、私達はきっと過去の関係なんだろう。
 
 
 
確かに久しぶりに会うスカイはカッコよく見えるし、ドキドキもする。
だけど、私はゆうこさんみたいにはなれないと確信をした。
 
 
 

スカイは私の作り笑顔も分からないまま、
見送った私をギュッと抱きしめた。
 
 
 
何も感じない。
 
 
 
そのまま貼り付けたような笑顔で見送った。
 
 
 
その日、まだジョイは帰ってこなかった。
 
 
 
私は何故かジョイに今日のスカイとの事と、
自分の感情を送った。
 
 
 
〇〇:📱『スカイ帰ったよ。
今日はこっちに帰ってこないの?
会って話し合って、スカイが好きか分からなくなっちゃった。』
 
 
 
 
つづく

 

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