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#034 看病の甘い罠

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#034 看病の甘い罠

 

 

 

ゔっっっ。
 
 
 
(身体が痛い、重い……)
 
 
 

(こんな状況時に携帯が遠い…) 
 
 
 
 
這っていき、携帯を手にする。
 
 
 
 
ジョイ:📲『今日は早い時間だけ仕事だから、早く行くね!行ってきます』
 
 
ヒナ:📲『今日から3日間旅行に行ってくるね❤』
 
 
 
 
〇〇:(ヒナ〜(TдT))
(あ〜、どうしよう…。)
(これ…、もう動けない)
 
 
 
世界が歪んだように見えた。
 
 
 
頑張ろうと思っても、頑張れなくて、
とにかくお手洗いに行くだけなのに、
もう駄目だと思った。
 
 
 
なんとか冷蔵庫まで行くことが出来たので、
水を少しだけ補給した。
 
 
 
 

 
 
 

 
 
 
 

 
 
 
 
そこで、意識が遠のいていくのを感じた。
 
 
 
 
 
★★★★★★ 
 
 
 
 
 
 
 
 
爽やかな涼しい風が、私の頬を過ぎていくのを感じた。
 
 
 
それから、すぐに薬品のような匂いと、
自分のベッドじゃない感覚を感じた。
 
 
 
ゆっくりと目を開けると、
パイプ椅子がガタンと動く音が聞こえた。
 
 
 
 
ジョイ:〇〇、大丈夫?
ここは病院だよ。ゆっくり寝て大丈夫だから。
どこか辛かったりする?
 
〇〇:うん、大丈夫。ありがとう。
私どうしちゃったの?

ジョイ:インフルエンザだって。
疲労も重なってたみたいだよ。
ごめんね、朝様子を見るべきだった。
起こすの悪いかなと思って…。
ごめん。
 
〇〇:ううん、ありがとう。
よく、家に入れたね?
 
ジョイ:うん、ヒナちゃんに事情を説明して、
鍵もらってきた。
ごめんね、返信なかったから胸騒ぎして。
勝手に入った…。
 
〇〇:謝らないで?本当に助かったから。
ありがとう、死ぬかと思った。
 
ジョイ:良かった…。
 
 
 
ジョイは私の手を握り、
静かに涙を流した。
 
 
ジョイ:……本当に良かった。
ごめんね、泣いて。負担になるよね。
看護婦さんに伝えてくるね。
飲み物と食べるものも買ってくるよ。
何が良い?
 
〇〇:飲み物はこの水でいいよ。
食欲もあんまりないみたいだから、
大丈夫。ありがとう。
 
ジョイ:分かった。ゆっくりしててね。
 
 
 
 
暫くすると、先生とジョイが来て、
検査をし、様子をみて明日退院になった。
 
 
 
〇〇:色々とありがとう。
本当に助かったよ。
ジョイも帰って休んで?
 
ジョイ:ここにいていい?
僕は大丈夫だから。
 
〇〇:移っちゃうかもしれないから。
 
ジョイ:そうだけど…。
心配だから。ちゃんと感染対策するから。
負担かな?
 
〇〇:ううん、ありがとう。
心強いよ。
 
 
 
ジョイは書類手続きや、買い出し等を積極的にやってくれ、私はゆっくりと休めた。
 
 
 
グワングワンというような感覚は無くなったものの、フワフワとした感覚があり、
まだ本調子じゃなかった私は有り難く感じた。
 
 
 
ヒナとジュンスさんにも随時連絡をしてくれていた。
 
 
 
そのお陰で次の日には、
普通になっていた。
 
 
 
薬が効いているのもあるが、
側でずっと誰かが支えてくれるのは
感謝しかなかった。
 
 
 
家に帰ってきても、ジョイは
食事の用意や家事等を仕事の合間にやってくれていた。
 
 
 
旅行から帰ってきたヒナは、自分がやるから
大丈夫だよと話したみたいだが、ジョイは譲らなかったらしい。
 
 
 
 
 
 
入院中から、ジョイは何かと花束を買ってきては飾っていた。
それが、すごく嬉しく感じ気分転換にもなった。
  
 
☆・:..。o○☆゚¨゚゚・:..。o○☆゚¨゚゚・:..。o○☆
 
 
 
 
あれから、数週間が過ぎ、
すっかり元気になった私は普段通り過ごしていた。
 
 
 
ジョイも普段通り、仕事後に帰ってくる。
 
 
 
合鍵を使って。
 
 
 
つづく

 

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