#035 向き合う時
ジョイ:ねえ?
ゲームをしている私の後ろに来て、
ジョイは話しかけた。
画面から目を離さずに、
返事をした。
〇〇:なに?
ジョイ:スカイから連絡きてるでしょ?
手を止めた。そして、ジョイの方を見る。
ジョイは優しく私を見て、微笑みを浮かべている。
〇〇:うん。でも返事してない。
ジョイ:うん、知ってる。
〇〇:それで?
ジョイ:スカイに会ってみない?
〇〇:え?
ジョイ:〇〇は知らないだろうから、
言うね。スカイはいつも〇〇の家の前にしばらくいるよ。
〇〇:………。
だから、最近帰りが遅かったんだ。
スカイが帰ってから家に入ってるの?
ジョイ:うん、そう。
何も感じない?
〇〇:感じないって言ったら嘘になるけど…。
来てることは知ってた。
連絡があまりに来るから、何だろうと思って。
ジョイ:それで、そのままにしてたの?
〇〇:うん。
ジョイ:どうして?
〇〇:わからない。
ジョイ:そっか。
〇〇:…。
ジョイと目が合う。
分からないって言う私の言葉の嘘を
見抜いているように。
ジョイは下に目線をそらし、
静かに笑う。
〇〇:ごめん…。
ジョイ:どうして謝るの?
〇〇:私、多分スカイからこうして連絡が来ることで、どこか嬉しい気持ちがある。
でも、ジョイに言わないでいた…。
今の生活に甘えてしまってた。
ジョイ:うん。いいよ、気にしなくて。
僕だって、〇〇がちゃんと断らないことにつけこんだだけだから。
でも、スカイと話をしてみない?
〇〇:……うん。
ジョイ:僕がこんな事言うのは、
正直どうかと思うけど、スカイを見てると
心配なんだ。今の状況。
だから、話し合ってほしい。
〇〇:そうなの?
ジョイ:うん。あいつもあいつなりに
〇〇を想っていたんだよ。
だから、お互いちゃんと話し合ったほうがいいと思うよ。
〇〇:ジョイはそれでもいいの?
ジョイ:うん、僕は周りの人達が苦労してるのを見過ごすほうが嫌かな。。
少し強がりだけど…(笑)
なんていうか、前に進もうとしているなら、
ちゃんと苦しくないようになってほしくて。
〇〇:うん、そうだよね。
話してみるよ。スカイと。
ジョイ:うん、頑張っておいで…。
…ん?なんか違うね(笑)?
〇〇:(笑)、ありがとう。
さて、何か夜食作ろうかな!
ジョイ:わーい♪
ジョイと袋麺を食べながら、
いつも通りの何気ない会話をする。
動画を見ながら、動物を可愛いと言い合ったり、
おもしろ動画をお腹が痛くなる程見たりした。
そして、いつも通りジョイはリビングのソファーで寝てしまった。
(…いつも思うけど、疲れちゃんととれるのかな。)
(今日はベッドに寝てもらおうかな)
〇〇:ジョイ?
ソファーに寝たジョイを優しく叩き起こす。
すこーしだけ、目を開けたジョイに言う。
〇〇:ベッドで今日は寝なよ?
疲れとれないでしょ。
ジョイ:いいの?
〇〇:うん。いいよ、私がこっちで寝るから。
ジョイ:そういう事か〜。。。
ううん、大丈夫。どこでも寝れるから。
〇〇:駄目だよ。早くどいて。
そう言い、ジョイの上に軽く座る。
ジョイ:う゛…〜ん。…やめてよ〜…。
〇〇:早く移動して!
ジョイ:…………( ˘ω˘)スヤァzZZ
だんだんと体重をかけていく。
ジョイ:ぅ゛〜〜〜〜、、ん゛。
〇〇:早く移動しないと潰すよ!
ジョイはほとんど意識がないような、
朦朧とした歩きで私の部屋に入っていった。
少し時間を置いてから、ちゃんとベッドで寝てるか確認しに行った。
私のブランケットを抱いて気持ち良さそうに寝ている彼の頭をそっと撫でる。
〇〇:(いつもありがとう。)
リビングに戻り、ソファーに横になった。
そして、スカイからの連絡を開く。
スカイ:📲『話せない?』
スカイ:📲『会えないかな?』
スカイ:📲『家の前にいるから。』
スカイ:📲『少しでもいいから、話せないかな?』
スカイ:📲『いつでも待ってるから…』
少しだけ、脳裏にラビを感じた。
(そういえばラビ、数年前と変わったな。)
そして改めて連絡の量に恐怖感を感じた私は、
一旦玄関の施錠を確認しに行ってから返信をした。
〇〇:📱『連絡しすぎじゃない?
私も返信しなくてごめんね。話そうか。
いつ予定空いてる?』
すると、すぐ電話が鳴った。
〇〇:久しぶり。
スカイ:久しぶり。連絡ありがとう。
本当にありがとう。
〇〇:私こそ、ごめんね。
スカイ:明日仕事終わったら行っていい?
〇〇:うん。
スカイ:じゃあ、行くね。
〇〇:分かった。
外で会おうとも考えたが、
お互い感情的になって、騒ぎになっても
大変だからと思い、家に来ることを承諾した。
私達は何を話し合うのだろうか。
私は何をしたいのだろうか。
会わなかった時間で気持ちに変化があったのだろうか。
不安な気持ちを抱えながら、そのまま眠りについた。
つづく
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