#027 cactus/変心
そこにあった物がない
空虚感。
いつも居た人がいない
不安。
そんなものは、もうどうでもいいほど、
私の気持ちはまだ、スカイに向いている。
今、振られたばかりなのに。
だから、
悲しいけど、
辛いけど、
まずは、自分に自信をつけたい。
本当は付き合いながら、
そうなっていければ良かった。
だけど、このまま付き合っていたら、
きっと一生駄目になる気がした。
リュヲンちゃんから離れられない
スカイをどんどん嫌いになっていく気がした。
私が頑張れば、幸せでいれたかもしれない。
だけど、自分に嘘はつきたくなかった。
私はいつからこんなに
息苦しい生き方しかしなくなったのだろう。
きっと、恋愛をしてからだ。
ひまりに恋をして、
自分が変わり、見える世界が変わった。
けれど、永遠だと信じていたものは
無くなった。
それに耐えられなくて、
壊れた。
辛くて、隙間を埋めたくて
都合の良い誰かを
探していた。
たまたま私を好きだと言ってくれた
人がいた。
ドキドキしたし、嬉しかった。
それでも、恋愛をする気にはなれなかった。
壊れるのが怖かったから。
色々あって、逃げ出して、
また戻ってきた。
それから、スカイに再開して
好きになった。
久しぶりに恋をした。
この人とならって思えた。
そう想ったのに…。
離さないって決めたのに。
スルスルと落ちていった。
だからね、少し前から
自分を見つめ直していたの。
きっと、私は自分に自信がない。
でも気持ちが壊れていないことに、
嬉しさを感じている。
だから、
また、スカイに想いを伝える
自信をつけるために過ごそうと思う。
また振られてもいい。
片想いでいい。
きっと素敵な恋になる。
だから、また会えることを信じて頑張ろう。
こうして思えたのは、
きっと、ゆうこさんからアドバイスをもらったからだ。
あの時は、確かに私は誰よりもひまりに
愛されていた。
(今だから分かる。)
そして、今はゆうこさんと凄く素敵なお付き合いをしている。
だから、私も希望を持とう。
スカイとお揃いのブレスを
月夜に照らして思いにふけった。
トントン
部屋の扉が叩かれた。
ヒナ:〇〇?今話せる?
〇〇:うん、大丈夫だよ。
ヒナが部屋に入ってくる。
その姿は少し元気がない様子だった。
〇〇:…何かあったの?
ヒナ:うん…。
〇〇:どうしたの?
ヒナ:私、キラと別れるかもしれない。
〇〇:え!?
ヒナ:そしたら、この家を出なきゃいけなくなっちゃうかも…。ごめんね。
〇〇:ううん、それは気にしないで。
どうしたの?話し聞いていい?
ヒナ:うん。聞いてほしくて来たの。
実はね…私、もしかしたらルカが気になってきちゃったかもしれなくて…。
だから、このままキラと付き合ってて良いのかなって。。。
〇〇:え!?そうなの?
てか、連絡とってたんだ!
ヒナ:うん…。話してみたら案外楽しくて…。
それに、最近キラとは考えが合わなくて。
性格の不一致ってやつなのかな。。。
〇〇:もしかして、私とスカイの件関係してる?
喧嘩してたよね?
ヒナ:その件もあるけど、それは沢山ある中の1つだよ。
〇〇:そう…。
ヒナはどうしたいか、考えがあるのかな?
ヒナ:うん。ここを出て一旦キラと距離を置こうと思ってる。
今は一緒に居すぎて分からなくなるから。
キラが許してくれるなら……。
別れるって言われたら、別れる。
〇〇:そう…。良く考えたんだね。
本当にヒナは凄い。
ヒナ:ありがとう。でも、キラに言うのが怖い。
〇〇:2人を今まで見てる私から言うと、
きっとキラもヒナがそこまで考えて言った事を分かってくれると思うよ?
もしかしたら、少し怒るかもしれないけど。
ヒナ:やっぱり、そうだよね。
〇〇:一緒に行く?
ヒナ:ううん。大丈夫、ありがとう。
〇〇:頑張ってね。
ヒナ:うん。
よし!話して決心ついた!
本当にありがとう。
〇〇は、ここにいれるように話す?
それともスカイの所に住む?
〇〇:私も出ていく。
スカイとは、さっき別れたんだ。
ヒナ:はぁ!?え!?
〇〇:でも、前みたいに引きこもるつもりないから、大丈夫だからね(笑)
ヒナ:本当に?大丈夫?どうしたの?
〇〇:信じ合えなかったの。お互い。
だけど、私はまた告白する(笑)
いつになるか分からないけど。
ヒナ:へぇ!?
〇〇:これからは少し自分の為に時間を作ろうと思って(^^)やりたいことがあるの。
ヒナ:ぇえ!?何か〇〇の方が、めちゃ考えて生きていたじゃん!!昔みたいに輝いて見えるよ!
〇〇:(笑)。そんな事ヒナから言われたの
学生の時以来じゃん(笑)
ヒナ:え〜!何か、ちょっと私も勇気もらったよ!!ところで、やりたいことって何?
〇〇:ネットからだけど、前からやりたかったアクセサリーショップやろうかなって。
ヒナ:あ〜!やりたいって言ってたよね!
日本にいた時もそれ系の仕事だったもんね。
〇〇:うん。
ヒナ:流石だなぁ〜。あ、便乗していい?
〇〇:もちろん、誘おうと思ってたよ(笑)
web系は全部任せようと思ってた。ゴメンネ。
ヒナ:やった〜!じゃあさ、会社の社長にちょっと話してみるよ!
色々と相談乗ってくれるかもだからさ!
でも、今の仕事どうするの?
〇〇:今の仕事も好きだから、平行してやろうと思って。金銭面でも安心だし。
ヒナ:そうだね!良いと思う!
じゃあさ、良かったらまた一緒に住まない?
そっちの方が時間作れそうじゃない?
〇〇:いいの♡そうしてもらえると、
有り難い!
ヒナ:じゃあ、部屋候補色々探しておこう!
〇〇:ヒナ、その前にキラに………(笑)
ヒナ:あ………(笑)。
〇〇&ヒナ:wwwww😂
そして、私達は1ヶ月後、
この家から出て行くことになった。
ヒナとキラは別れずに
とりあえず、距離をおくことになったみたいだ。
前みたいに、逃げるような事はしない。
スカイにやっぱりって思われるのも嫌だった。
けれど、引っ越しを手伝うと言って
無理矢理来た彼らの連絡を断つことは、
難しかった。
振り返り、お世話になったマンションを
眺める。
(本当に色々あったな…。)
哀愁を感じたものの、
すぐにかき消された。
ラビ:ねぇっ!早く車に乗って〜!
ジョイ:引っ越し先の部屋どんな感じかな〜♪
アルマ:引っ越し先で食べる、ジャージャー麺何処のがいいかな?
〇〇:も〜、少しは思い出に浸らせてよね。
ヒナ:ほんとに〜(笑)
ねぇ、スカイは引っ越しすること知ったかな?
元気にしてる事は、聞いているよ。
あなたの状況知るために、
みんなを利用してるもん。
ズルいよね。私。
つづく
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