#020 ふたり
ラビとジョイは私の目を
塞いでいた手を離した。
そこに、もうスカイの姿は無かった…。
2人の方を振り向く。
〇〇:…………どうしたの?
ジョイ:…強がらないで…泣きたい?
僕のここあいてるよ。
ジョイは冗談交じりに話し、
優しく微笑んで言った。
久しぶりに会うのに、
何も変らない視線に
罪悪感を覚えた。
すると、フワッと後から頭を撫でられた。
ラビだった。
ラビ:久しぶりだね。
元気だった?凄く会いたかったよ。
(なんで?どうして?)
なんで、2人は今だに
優しくしてくれるのだろうか。
何故、普通に話しかけて
くれるのだろうか。
今、どうして現れたのだろうか。
そんな事が、頭の中をグルグルと
駆け巡った。
ジョイ:キラヒョンから連絡もらって、
急いで来たよ。
久しぶりだね。
ラビ:会いたかった〜。
ヒナ:へ〜。まぁ、とりあえず……
場所移動しよ?
あなた達ならVIP席いけるよね?
ラビ:〇〇達の家いこうよ?
ヒナ:いやいや、目的果たしてないから…
〇〇:目的?
ヒナ:見たでしょ?スカイとリュヲン。
〇〇:うん…。
ヒナ:リュヲンとまだ会ってるんだよ?あいつ…
〇〇:うん…。
ジョイ:……その話はさ、僕達も話したいから、、、一旦、ここを出ない?
ヒナ:え?スカイに会わないまま出るの?
ジョイ:〇〇はどうしたい?
〇〇:………。
ヒナ:ねぇ、ちゃんとスカイに説明してもらおう?
今から、スカイとリュヲンちゃんの元へ行くのが凄く怖い……。
だけど、ここでジョイとラビと家に帰って
2人から聞いたら、自分もスカイと同じことをしてしまう気がした。
だから、スカイから直接聞こう。
まだ、何も分からないから…。
そう思った。
〇〇:そうだね。ヒナの言うとおり、スカイに聞きに行く。
2人はさ、帰って大丈夫だよ。
ありがとう。久しぶりに会えて良かった。
ジョイ:いやいや、それは出来ないよ!
ラビ:うん。僕達、我慢してたんだよ?
ヒナ:あんた達の話はいいから!
今は〇〇とスカイをどうするかでしょ!
〇〇:う〜〜〜ん、、、と、、、
もしかして………
もしかしてだけど……………………
みんなスカイとリュヲンちゃんの関係
知っていた…?
ヒナ:………………うん。ごめんね。
本当に。ずっと、悩んでた。
伝えるか…。
ヒナはそう言い、
私をジッと見ながら、
目に涙を溜めていた。
〇〇:ヒナ〜。あぁ、泣かないで。
ごめんね。ずっと辛かったでしょう。
ありがとうね。
ティッシュを取り出し、
ヒナの涙を拭う。
ヒナはポロポロと涙を流しはじめた。
ヒナ:本当にごめん。
〇〇が本当は、泣きたいよね。。。
〇〇:ううん。大丈夫だよ。
ありがとう。
ジョイ:ほら、ここで泣いてると、
注目されちゃうよ?帰ろう?
ラビ:キラヒョン家で待ってるってよ?
〇〇:でも………。やっぱり行ってくるね!
ヒナと先に帰ってて。
ヒナ:私も行く!
ラビ:行かせないよ?
ラビは私の手を強く掴んだ。
〇〇:ねぇ、痛い。。。
ラビ:帰ろう?
〇〇:スカイのところに行ってから、
帰るね。
ラビ:行かせないってば。
〇〇:離して。
ラビ:離さない。
〇〇:痛い。。。
ラビ:帰ろう?
〇〇:スカイのところに行かせて…。
ラビ:駄目だって。
〇〇:お願い……。
なるべく目立つ行動はしないように。
と、思った。
けれど、言い合いを繰り返すうちに
声は大きくなり、泣きながら訴えた。
〇〇:離してって!!!
周りがザワザワとしてきてしまった。
ヒナと私は仕方なく外へ出ることにした。。。
その間も、ラビはずっと私の手を
握ったままだった。
タクシーへ流れるように、
乗せられ、私達の家へ向かった。
もう、こうなったら、
みんなから話を聞こうと思った。
ほら、私は前からそうだったじゃん。
ひまりの時も、本人より先に、
周りから聞いて、女性が沢山いること知ったじゃん。
いつもそう。。。
気付けない。。。
自分の鈍感っぷりが情けなくて、
タクシーの中で泣いてしまう。
ラビ:泣かないで?僕がいるから…。
ラビは握っていた手をギューッと
優しく力を込めた。
それを、邪険に振りほどく。
ほとんど、八つ当たりだ。
ラビはそれでも、また手を繋いでくる。
ヒナ:もう!やめてあげて!!!
〇〇はあんたのじゃないんだから!
ヒナは私をラビから離して、
ギュッと抱きしめてくれた。
それを見て、助手席に座っているジョイは
こちらに振り向きながら言った。
ジョイ:ラビ、少しは加減しよ?
気持ちは分かるけど、僕達は何も説明してないよ。〇〇が混乱するだけだよ?
冷静なジョイの態度と声に、
私も少しずつ、正気を取り戻した。
つづく
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