#028 新章/序章 〇〇side
引っ越し当日、
男手があって
本当に助かったと思った。
感謝しているが、
少しだけ私に期待する
下心が見えて、胸が痛くなるのを感じる。
友達だったら、
どんなに楽なんだろう。
友情関係だったら、
色々と相談に乗ってもらいたいこと
沢山あるのにな…。
ジョイ:どうしたの?
ラビ:疲れちゃった?
休んでていいよ?
アルマ:はい、ここ座って。
〇〇:……ありがとう。
素直に優しさに触れられない事が、
辛く感じる。
だからと言って、避けたい訳じゃない。
彼らのことは好き。
友達として。
〜〜それから半年が過ぎた〜
新しい家になってから、
忙しかった。
ダブルワークを少し甘くみていたのかもしれない。
嬉しい事に、ヒナと立ち上げたwebショップも
軌道にのりつつあった。
全て周りの人の支えでここまで
これたけれど、自分の事も褒めたいと思った。
久しぶりに公園で、
1人でのんびりする。
家にいたら、仕事の事を
どうしても考えてしまうから。
かと言って、何処か行くにも
急すぎて誘える人もいなかった。
(ヒナも疲れてそうだったし、
仕事以外の連絡は今現在返信が遅れている
状況で、見たくなかった。)
明日からは久しぶりに連休だ。
何も心配がいらない、休日。
それだけで、幸せだった。
片手でビールを持ちながら、
夜空に向かって乾杯をする。
商品を作る際に苦労した
工場交渉や、
クレーム対応、
売上が無い期間の絶望感。
色々と大変だったことを
噛み締めながら、
グイッとアルコールを入れた。
(あ〜私、今充実してる。)
1人で自己満の達成感に
浸りながら、ボーッとする。
すると、1台の見覚えのある
車が公園の脇道に止まった。
その車の後部座席の扉が開き、
スカイが出てきた。
これは、神様が与えてくれた
ご褒美なのだろうか?
一瞬そう考えたが、すぐにかき消された。
スカイは後ろを振り向き、
リュヲンちゃんに
手を差し伸べて車から
降ろしていた。
仲睦まじい2人を、
見て胸が苦しくなるが、
2人に見つからないように、
隠れるのを優先した。
少しでも早くプハ〜ッとしたくなり、
事務所近くの公園で
飲んだ自分を呪った。
(まぁ…スカイの姿見れたから良しとするか…)
リュヲンちゃんが急いで事務所まで
行き、急いで車へ戻ってきた。
恐らく、何か忘れ物でもしたのだろう。
車はほんの数分で去っていった。
(あの2人は付き合う事になったのかな…?)
姿を見てしまったせいか、
一気にスカイに会いたくなった。
寂しさが押し寄せてくる。
ほんの数分前までは、
夜空のキラキラと木々の爽やかな
音色が祝福を挙げていたのに、
今はどんよりとした怖い空気感になっていた。
枯れ葉のカラカラした音が響く。
(久しぶりにスカイにメッセージ送ってみようかな…)
(シカトされるかな…)
(でも、もしかしたら電話くらいできるかもしれない…)
(どうしようかな…)
そんな事を考えていると、電話が鳴った。
つづく
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