012 嫉妬
ジョイが迎えに来てくれた
タクシーに乗り込み、
向かった先は
高級ブランド店だった。
〇〇:何か買い物?
ジョイ:うん。〇〇が着る洋服選んで?
〇〇:え!?また!?
いらないよ。足りてるから!
ジョイ:これは僕の気持ちだよ。
この後にお祝いしに行くから、
何か洋服選んでよ。
〇〇:前にも買ってもらったし、
本当に大丈夫だから。
ジョイ:何年前の話し?(笑)
いいから、ほら!早く選んで!
〇〇:うん…じゃあ、ありがとう。
そうして、色々と試着をして、
洋服を選んでいた時、
試着室の向こうから、
ジョイを呼ぶ女の人の声がした。
女の人:ジョイちゃん!
ジョイ:お〜!どうしたの?
女の人:空き時間に少し寄ってみた〜!
ジョイちゃんに会うなんて珍しいね。
そっちこそ、どうしたの?
ジョイ:ん?ちょっとね。
女の人:え〜(笑)なになにぃ〜。
怪しい〜!
ジョイ:ないない。ただ買い物に来ただけだよ(笑)
女の人:そっか。ところでさ、スカイは元気?
この前の遊園地から全然連絡来なくて。。。
途中で帰っちゃうし。
ジョイ:そうなの?
元気にしてるよ。スカイに伝えておくね。
女の人:うん、ありがとう。
…あのさ、この後少し時間ある?
少し相談したいんだけど、上のカフェで
話さない?
ジョイ:あ〜、ごめん。約束あるんだよね。
女の人:そっか。わかった。
じゃあ、連絡するね。
ジョイ:うん。
女の人:またね〜!
ジョイ:またね!
会話が終わった様なので、
試着室からこっそり顔を出す。
すると、ジョイは一緒に試着室へ
入ってきた。
ジョイ:今の会話聞こえてた?
〇〇:…うん。聞くつもりはなかったんだけど…。
ジョイ:そうだよね。
何となく分かったと思うんだけど、
この前遊園地でスカイを引き止めていた子なんだ。
〇〇:うん。
ジョイ:それ以上知りたい?
ジョイは小さい試着室の中で、
私を壁際に寄せながら、
私の表情を伺う様に質問してきた。
甘い良い匂いが狭い空間に
広がる。
急に恥ずかしくなってきて、
顔を思わず伏せる。
それを面白がってか、
ジョイは顔を無理矢理自分の
方へ向かせて、また質問した。
ジョイ:ねぇ、知りたい?2人の関係。
以前の私だったら、
『知りたくない。
聞いても意味ない。
本人から聞く。』
と、言っていただろう。
だけど、ここ数日頭の片隅に
いつもスカイとあの女の子のことを
考えてしまう自分がいた。
目の前にあるジョイの顔を
まともに見れずに、
目を瞑りながら答えた。
〇〇:…うん。知りたい。
ジョイ:いいよ。教えてあげる。
目を開けて?
ゆっくりと目を開けると、
ジョイと目があった。
そして、額にキスをしてきた。
ジョイ:じゃあ、食事をしながら
話そうか。
服はそれでいいかな?
綺麗だよ。
〇〇:ありがとう…////
すっかりジョイのペースに時が流れていき、
レストランへ着いた。
貸し切りになっている
レストランは広いスペースに
ポツンと2人だけの空間があった。
ジョイ:戻ってきたお祝い。
〇〇:ありがとう。
ジョイはいつもお祝いや、
沢山の贈り物で愛情表現をしてくれる。
素直に嬉しい。
シャンパンで乾杯をし、
料理を楽しみながら、
先程の会話の続きをした。
ジョイ:〇〇が2人を気にするとは、
珍しいね?
〇〇:うん…
ジョイ:女の子の事が知りたい?
それとも2人の関係?
〇〇:両方。
ジョイ:あの子はランと同じグループのアイドルで、リュヲンって名前だよ。
〇〇:うん。どんな子なの?
ジョイ:ん〜、僕もランほど仲良くしてたわけじゃないから、詳しくは分からないけど、
ランからは天然だけどしっかりしてるって聞いてたかな。
〇〇:そんな子なんだね。
ジョイ:2人は正直付き合ってると思うくらい、最近は仲良く見えてた。
よく仕事終わりにお互いに
迎えに来てる姿を見かけてたよ。
〇〇:そっか……
ジョイ:だからさ、スカイは忘れなよ?
ジョイとテーブル越しに
見つめ合う。
ジョイ:僕はずっと、待ってた。
〇〇:うん。
ジョイ:……だけど、〇〇が2人を
知りたいって思うなんて、、、
スカイがそんなに惜しい?
ジョイは少し悲しいような笑顔で
質問してきた。
〇〇:惜しいのかな…。
ずっと、遊園地で2人の姿をみてから
考えちゃうの。
2人が見つめ合ってる姿を。
ジョイ:………それって、嫉妬してるんじゃないのかな?
〇〇:……そうなのかな?
ジョイ:多分?
〜♪♪♪
着信
スカイからだった。
ジョイ:出てきな?
〇〇:メッセージ送っておく
ジョイ:そんなにこの話ししたいの?(笑)
僕はもう終わりにしたい(笑)
〇〇:うん。そうだね。
違う話題にしよう?
それからは、他愛もない話をして、
レストランを後にした。
歩くと自分が思っていたよりも
酔っている気がした。
タクシーに乗り込むと、
ジョイは酔っている事に気づいているのか、
私を寄りかからせてくれた。
ジョイの肩の心地よさにそのまま
眠ってしまう。
〜
〜
Zzzz
〜
〜
〜ジョイの家の前〜
スカイ:ヒョン僕が抱えます。
ジョイ:いいよ。大丈夫。
スカイ:やります!
何だか乱暴に抱きかかえられた気がした。
すっかり酔ってしまっているのか、
状況が把握できない。
そして、フカフカのベッドに横にさせられる。
私はジョイといたはずだけど、
スカイが目の前に見えた。
(あぁ…夢にまで出てくるなんて。)
〇〇:…いかないで……
そう言い、涙が流れたのを感じた。
(ひどい夢。泣いたって、どうにもならないことくらい分かってるのに。)
リアルに感じるスカイの温もりを
感じながら、また眠りについた。
トントン
(寝室の扉をノックする音)
ジョイ:いつまで、抱き寄せてるの?
スカイ:……ヒョン。〇〇が泣いてる。
何したの?
ジョイ:別に。僕は何もしてないよ。
お前が悲しませてるんじゃないの?
スカイ:ヒョン。僕はどうしたらいいですか?
ジョイ:……。僕にもわからないよ。。。
僕も…僕はどうしたらいいか…。
ただ、〇〇にまた会えただけでも
良かったのに、やっぱり自分のものにしたいね。
スカイ:そうですね‥。
ジョイ:リュヲンちゃんは?
スカイ:……気の迷いでした…。
でも、感謝はしてるんです。
リュヲンがいたから、僕はつぶれなかった。
だから、大切なのは大切なんです。
でも…〇〇の涙みたら、、、。
ジョイ:気の迷いとかは酷いんじゃない?
リュヲンちゃん寂しがってたよ?
話し合いなよ。ちゃんと。
スカイ:はい。〇〇にもちゃんと話します。
ジョイ:話したよ。
スカイ:そうですか……。
ジョイ:正直、今お前が羨ましい。
スカイ:ヒョン。僕も同じです。
ヒョンみたいに〇〇を信じて、
待っていれば良かった。
ジョイ:……
つづく
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