#041 運命が分かればいいのに
カフェに着いたラビは
私の向かいの席に座った。
ラビ:なんで、ひまりさんといたの?
〇〇:たまたま、カフェの前通ったみたいだよ。
ラビ:そうなんだ。
さっきは、ごめんね。
配慮が足りなかった。
真剣に落ち着いて話すラビの姿が
意外で、不意打ちをつかれた感じがした。
〇〇:ううん。
ランさん、大丈夫なの?
ラビ:うん。さっきの件は断ったよ。
僕も勘違いさせていた事が色々あったんだ…。
〇〇:そう…。
ラビ:〇〇にも勘違いしてほしくないから、
言っておくけど、ランを好きだった事はないよ。
〇〇:そうなんだ…。
ラビ:仲良くはあった。色々と事情があって。
〇〇:事情?
ラビ:うん…。
少し気になったけど、
あんまり深く聞いてはいけないような
雰囲気だったので、そのままにした。
ラビ:もしかしたら、周りも僕達は
特別仲が良いって、思われていたかもしれないな〜。
〇〇:うん。
ラビ:でも、本当に最近は全然好きな人とか、
そんな人はいなかったから、信じてほしい。
〇〇だけだよ?
〇〇:うん。
ラビ:ありがとう。
早く〇〇も僕を受け入れてよ?
〇〇:そうだね…。
でも、ラビとは付き合えないかもな。
私、結構嫉妬深いから(笑)
ランさんみたいに、
私以外の女の子の専用カップがあるような
彼氏嫌だな。
ラビ:捨ててきたよ。
もうしない。
〇〇:そうなんだ。
でも、ラビは友達多いから、
なんとなく、嫌だな(笑)
ラビ:それでも、好きだよ。
諦めてくれそうにない、
真剣な眼差しに
戸惑ってしまう。。。
ラビ:カップ買いに行こう?
〇〇:え?なんか嫌だな…
ラビ:なんで?
〇〇:お客さん用でいいよ。
ラビ:もしかして、少し嫉妬してる?
〇〇:さっきまではしてたけど…。
これは違う感情だと思う…。
なんか、、、嫌。
なんだか、ここで私専用のカップを
買いに行っても、
ランさんの代替品か、ランさんのような事に
なりそうな嫌な予感がした。。。
ラビ:そう…。じゃあ、俺の家に帰ろうか?
〇〇:…。今日はこのまま、自分の家に帰るね。
ラビ:じゃあ、僕も行く。
〇〇:今日はさ、お互い一緒にいない方が
いいよ。
私にも色々考える時間ちょうだい?
ラビ:嫌だ。今一緒にいられなかったら、
〇〇が離れていっちゃいそうだよ?
〇〇:それでも、今日は一緒にいたくない。
ラビは凄く傷ついた表情をしていた。
そんな姿を見ると、胸がキューっと
締め付けられそうになった。
〇〇:ごめんね?でも、今日はもう帰るね。
ラビ:送っていくよ。
〇〇:大丈夫だよ。ありがとう。
明日も仕事でしょ?
私も明日から通訳で一緒だから、
宜しくね。
ラビ:…。元彼なんでしょ?
聞いたよ。
〇〇:うん。
でも今回はそういうのは関係なしに
ちゃんと、仕事するから。
ラビ:僕が嫌だな。
不安だよ。一緒にいてよ。
ずっと。
冷静に言ってはいるが、
言っていることが、
駄々っ子のようで、
段々と呆れてきてしまう。
〇〇:なにも心配いらないから。
仕事に集中して?私も、そうするから。
ラビ:うん。ずっと一緒にいて?
〇〇:いられないよ。
私はラビの何でもないから…。
ラビ:僕の彼女になって?
〇〇:ならないよ。
こんな時に言われても…。
もう、行くね。
そう言い、席を立った。
ラビは私の手を無理矢理繋ぎ、
一緒にカフェを後にした。
こんなところで手を繋ぐのは
危険だと思い、振り解こうとするが、
力が及ばない。
そのままタクシーに一緒に
乗り、私の家へ向かった。
家の前まで着くと、
ラビは降りずに話し始めた。
ラビ:今日はごめんね。
ちゃんと考えてね?
好きだよ。
悲しそうな、表情で言われた。
ギューと握っている手に
力が無意識に入ってるのを見て、
凄く降りたいのを我慢して
今の言葉を言っているんだろうな、と察した。
〇〇:うん。
お見送りありがとう。
またね(^^)
ラビとずっと目を合わせながら、
タクシーが去るのを見送った。
家に帰宅するとヒナがいた。
ヒナ:おかえり〜
〇〇:ただいま〜
ヒナ:なんか、疲れてない?(笑)
ヒナに今日あったことを話した。
ヒナ:その噂は結構聞いてたな〜。
ランとラビが付き合ってるって。
だから、ラビが〇〇に
凄くアプローチしてるの見て
???って思ってた。
〇〇:そうなんだ。
有名な噂なんだね。
ヒナ:ん〜、でもあんまり
2人でいる姿は目撃されてないから、
デマって情報もあるよ?
ジョイと3人でよく遊んでるって
噂もあって。。。
まぁ、噂だからさ、
本人と自分の気持ちに向き合いなね☆
〇〇:うん。ありがとう。
ヒナ:ところで、ルカ君は順調?
〇〇:(笑)
うん、よく頑張ってるよ(^^)
ヒナ:わ〜、次日本語話すの楽しみにしとこ〜!
……でね、1つお願いがあるんだけど、
いいかな?
〇〇:うん。どうしたの?
ヒナ:もしさ、キラから
私とルカ君が連絡とってるかとか
聞かれたら、とってないってハッキリ言ってあげて
くれるかな?
〇〇:うん?本当にとってないよね?
わかった!
ヒナ:ありがとう!
なんかさ、〇〇の先生の相手が
ルカ君って分かったら
結構不安そうな表情してたからさ。
聞かれたらでいいから。
ごめんね!変なお願いで🙏
〇〇:全然だよ!
キラ愛されてるな〜(笑)
前までジュンスさんに浮気してたのに(笑)
ヒナ:ジュンスさんはね、憧れなのよ✨
〇〇:なんか、分かるわ。
ヒナ:でしょ(笑)?
何でも話せる友達が
近くにいて、本当に良かったと
心から思った。
そして、私もヒナみたいに
誰かを大切に想いたいとも思った。
けれど、その対象は
まだ誰なのかがハッキリしない
自分に焦った。
運命の人が分かればいいのに。
そしたら、苦労しないのに。
その人だけ見れればいいのに。
今は誘惑が多すぎるよ。
神様、少しだけヒントをください。
もう、傷つかない私の運命の人はだれですか?
もう、出会えてますか?
そう思いながら眠りについた。
そんな日の夢が
大奥の逆バージョンみたいなもので、
夢見が悪いな〜と思いながら、
事務所へ出社した。
つづく
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