#040 かませ犬
少し家で何もしないで、
休みたい気持ちもあるが……
ラビからの着信が多くて
少し気になったので
家へ向かった。
連絡をし、家のオートロックを
解除してもらいマンション内に入った。
女性:あれ〜?〇〇ちゃん?
エレベーターに乗ろうとしたところを、
後ろから話しかけられた。
振り向くと、
先日、美容室にいた女性アイドルだった。
女性アイドル:ラビのところに行くの?
〇〇:あ、…はい。
一瞬、返答に困ってしまった。
女性アイドル:…そうなんだ〜。
私も一緒に行こうかな!
〇〇:え?
女性アイドル:駄目かな?
〇〇:私は何とも…。
ラビに連絡して聞いてみますね!
女性アイドル:すぐつくし大丈夫だよ!
そう言い合っているうちに、
ラビの住んでいる階まで来てしまった。。。
女性アイドルはラビの玄関のインターホンを押した。
ガチャ
ラビ:…なんで一緒にいるの?
女性アイドル:そこで一緒になったから、
一緒にきたの。
ラビ:ランと約束今日してないよね?
ラン:うん。でも一緒に遊びたいな〜って思って!
ラビ:……そっか。とりあえず、入ろうか。
ラン:ありがとう!
そして、リビングへ移動した。
移動すると同時に、
ランさんはキッチンに行き、
飲み物の準備をしているようだった。
ラン:〇〇さんのカップはお客さん用のこれ?
ラビ:うん。何でも良いよ。
ラン:は〜い。
なんとなく、この空気感に
居づらいな〜と感じた。
〇〇:(……私、いないほうが
いいんじゃないだろうか…((´ . .̫ . `))
そんな事を考えていると、
ラビ:〇〇のカップ買いに行かなきゃね!!!
と、こちらに飲み物を持って
2人がきた。
〇〇:……ははは(• ▽ •)
ラン:〇〇さんはさ、みんなと親しい仲なの?
この前はアルマとスカイといたよね?
〇〇:仲は良いと思っています。
ラン:そうなんだ!
誰かと付き合ってたりするの?
〇〇:いえ……。
ラビ:僕と付き合ってほしいとは言ってあるよ
〇〇:!!!
ラン:!!!
ラン:……そうなんだ。。。
〇〇さんは、どうするつもりなのかな?
ラビ:それは僕と〇〇の問題だから
ラン:……
ラビ:てか、こんな風に〇〇困らせるなら、
もう帰ってよ。
ラン:……私だって…
ラビと付き合ってほしいと思ってるもん。。。
〇〇:!!!
ますます、居づらくなってきた。。。
ランさんはだんだんと
目に涙がたまってきていた。
〇〇:……私は、今日は帰るね。
2人で色々と話し合って下さい。
ラビ:え!?待ってよ?
なんで〇〇が帰るの!?
〇〇:いやいや、ちゃんとランさんの話聞こうよ。
ラビ:僕の話もちゃんと聞いてよ。
〇〇:(ため息)
ラン:〇〇さんは、ラビと付き合う気ないの?
〇〇:……
ラン:そうやって、ラビの気持ち弄ばないでよ!!!
〇〇:!!!
…弄んでないです……
ただ、分からなくて。。。
ごめんなさい。
じゃあ、私はお邪魔します!
そう言い捨て、
足早にラビの家を出た。
ラビに手を強く掴まれたけれど、
思いっきり振りほどいて、外へ出てきた。
(私だって、分かってる。)
返事を出さない自分が1番ズルいこと。
図星をつかれて、どうしようもない感情が
湧き上がってきた。。。
とりあえず、気持ちを落ち着かせる為に
お気に入りのカフェへ向かった。
2人は今頃どうなっているのだろうか。。。
もし、お互いが良い方向に話し合えれば、
付き合うのだろうか。
そしたら、私はとんだカマセ役じゃん。
そう思ったら、どんどん惨めになってくるので、
考えるのをやめた。
だけど、、、、
お気に入りのカフェに着いて、
大好きなラテを頼んでも、
全然落ち着かなかった。。。
〇〇:(考えるのやめたハズなのに…)
スマホを取り出し、
ラビから連絡きてるか
確認してしまう。
きていなかった。。。
こんなに気にするなんて。。。
携帯をボーッと見つめていると
着信が入った。
〇〇:『もしもし?』
ひまり:『そんな思いつめた顔して、
何してんの?』
辺りを見渡すと、外にひまりが
こちらを見ながら電話をしていた。
……何だか分からない気持ちが、
ブワァァアアっと湧いてきて
涙が流れた。
ひまりが慌ててお店に
入ってきた。
ひまり:どうしたの?
優しい口調で隣りに座った。
〇〇:何でもない…
ひまり:そう…
それから、随分と長く沈黙が続いた。
ひまり:ねぇ、どっか行かない?
〇〇:何処に?
ひまり:ん〜そうだな。。。
お酒飲む?
〇〇:そうだね。
オススメのお店あるよ。行こうか。
そんな事を話していると、
着信が鳴った。
ひまり:出なよ
画面を見ると
ラビからだった。
〇〇:うん。
『もしもし』
ラビ:『今どこにいるの?
ランとちゃんと話し合ったよ』
〇〇:『…そうなんだ。
それで?』
ラビ:『ちゃんと断ったよ。
どこいるの?』
〇〇:『カフェにいるよ。』
ラビ:『いつもの?待ってて。行くから。』
〇〇:『これから、知り合いと飲みに行くんだけど。』
ひまり:いやいや〜、いいよ。
また今度で。
ラビ:『男?』
〇〇:『ひまりさんだよ』
ラビ:『!!!。そこで待ってて。今、行くから』
そうして、電話が切れた。
切れた電話の画面を見つめていた。
ひまり:その人の事好きなのか?
〇〇:分からないの。
今は嫉妬はしてるみたい。私が。
ひまり:ふ〜ん
〇〇:…元彼にこんな話ししても…か…
ひまり:いや、別にいいよ。
〇〇:ははっ。ありがとう。
ひまり:まぁ、まんまり考え込まずに。
頑張れよ。
じゃ、俺は行くね。
そう言い、頭をポンってして、
去っていった。
〇〇:(本当に、いつまでも優しいな…)
少し心が落ち着き、
負の感情が消えた。
そして、少ししてから
ラビがカフェに入ってきた。
つづく
🌙インスタ🌙
@lunapiiiii
@kms_novel_loon