#038 再会
マネージャーのジュンスさんとの
打ち合わせの為に
事務所の会議室へ着いた。
コンコン
ガチャ
ジュンスさんが扉を開けて入って来た。
ジュンス:お久しぶりです。
お元気でしたか?
今日は事務所まで来ていただき、
有難うございます。
〇〇:お久しぶりです。
はい、元気です。
いえ、お気になさらないでください。
ジュンスさんは向かいの席に座り、
書類を渡しながら話し始めた。
ジュンス:少し内容は伝えてはいましたが、
今度、日本のアーティストの方と
コラボすることになっていて、
それの通訳をお願いしたいと思っていまして。
こちらが、スケジュールなんですが、
大丈夫そうでしょうか?
書類をみると、、、
コラボアーティストに固まってしまった、、、
コラボアーティスト:『ひまり』
ジュンス:……あの、大丈夫ですか?
〇〇:あ…はい…。
ジュンス:スケジュールが少しハードでしょうか?
〇〇:いえ、スケジュールは大丈夫です。
ただ…
ジュンス:何か問題ありましたか?
〇〇:アーティストが…。
その〜、言いにくいのですが、、、
元彼なんです。
ジュンス:なんと!!!!!
〇〇:別れてから、一度も会ってないですし、
お互い気まずいと思うので、
この話はお受けできません。
お力になれなくて、すみません。
ジュンス:いえいえ。では、引き続き今までの
翻訳のお仕事をお願い致します。
それと、すみません。
これから、ひまりさんが顔合わせの為に、
こちらに来る予定なんですよ(^_^;)
なので、急いで退勤しましょう!
〇〇:え!?はい!
コンコン
事務所スタッフ:ひまりさんが
お見えになりました。
ジュンスさんと目を合わせ、
ジュンスさんはすみませんと
ジェスチャーをした。
ガチャ
ひまりが入ってきた。
私にすぐ気付き、ビックリした顔をしていた。
ジュンス:ひ、ひまりさん!
今日はお越しいただき、有難うございます。
スケジュールの説明をするので、
どうぞこちらへ!
ジュンスさんは自分の隣にひまりを来るように
案内をした。
ジュンス:前の会議が長引いてしまって、
すみません。
今、スタッフ退出いたしますので。
〇〇さん、今日は有難うございました。
ジュンスさんは私を会議室から
出やすいようにしてくれた。
〇〇:はい、有難うございました。
私はそそくさと、その場を去ろうとした。
ひまり:〇〇、なんでここにいるんだ?
〇〇:あ、お久しぶりです。
今、ここで働かせてもらってます。
ひまり:そうなんだ。もしかして、
通訳の人って〇〇?
〇〇:違います。では、失礼します。
ひまり:ちょっと、待って。
ひまりが、足早に去ろうとする
私の腕をつかんだ。
ひまり:ジュンスさん、通訳の方ってもう決まってますか?
ジュンス:いえ、まだです…。
ひまり:じゃあ、こいつにやってもらっていいですか?
〇〇:!?
ジュンス:!?
ジュンス:あの〜……、お二人は知り合いなんでしょうか?
ひまり:はい。少し色々ありましたが、
慣れてる人がいると安心感あるので、お願いします。
ジュンス:そうですか……。
…〇〇さん?どうですか?
ひまり:〇〇、忙しい?それとも嫌?
俺はお願いしたいんだけど。
〇〇:ひまりさんが気まずくなければ、
お受けします。。。
ひまり:じゃあ、お願いします。
ジュンス:…わかりました。
そして、ひまりと私は隣同士に座り、
ジュンスさんと打ち合わせをした。
—–打合せ終了—–
ジュンス:それでは、有難うございました。
これから宜しくお願いします。
外までお送りします。
ひまり:こちらこそです。
送りは大丈夫です。有難うございます。
〇〇、これから暇?
少し話そう?
〇〇:少しだったら、大丈夫だよ。
私達は事務所を後にし、
近くのカフェへ入った。
ひまり:久しぶり。
どうしてたかは、聞かないよ。
ただ、何で韓国にいるのか知りたいと思って。
〇〇:知り合いの紹介で、
今の仕事紹介してもらってて、
韓国に来たの。
ひまり:そうなんだ。
世の中狭いな。
〇〇:本当に。
ひまり:今日は有難う。
海外アーティストと初めてコラボするから、
緊張してたんだ。
知り合いいると、心強い。
〇〇:私なんかで良ければ。
冷静に答えた。
先程の打ち合わせから、
泣きそうな感情と、
嬉しい感情と、
責めたい感情と、
少しだけ見返したい感情が、
心の中で、随分うるさい。
だけど、それを悟られたくなくて、
冷静を装った。
ブーブー
私の携帯が鳴った。
ひまり:とりなよ。
〇〇:うん。
〇〇:『スカイ、どうしたの?』
スカイ:『今事務所の作業室で作業してたんだけど、
ジュンスさんが凄く疲れてるの発見して、
事情を聞いたから連絡した。今どこ?』
〇〇:『近くのカフェにいるよ』
スカイ:『1人?ひまりさんもいるの?』
〇〇:『いるよ』
スカイ:『今からそっちいくから。
ひまりさんに説明しておいて。』
〇〇:『わかった。』
そして、電話が切れた。
〇〇:今からコラボするLunaのスカイって方が
こっちに来るって。
ひまり:そんな仲良いの?
〇〇:うん。
ひまり:へぇ〜。
韓国の美味しい店教えて?
〇〇:分かった。ラインで地図共有するね。
あ、、、、ライン削除してたんだ。
ひまり:はい。
携帯を差し出された。
〇〇:……ありがとう。
登録し終わったところにスカイがカフェへ
入ってきた。
スカイ:〇〇!
〇〇:スカイ!今日事務所にいたんだね。
スカイ:うん。
はじめまして。
今度コラボさせていただく、
Lunaのスカイです。
ひまり:ひまりです。
宜しくお願い致します。
スカイ:宜しくお願い致します。
スカイは私の隣に座り、
普段と変わらない感じで話し始めた。
スカイ:今日はこの後何かあるの?
〇〇:美容室行ってから、
アルマと会う予定だよ。
スカイ:アルマヒョン?僕も行こうかな。
〇〇:アルマに聞いて〜。
スカイ:分かった〜。
明日さ、スケジュール急にオフになったから、
どっか行こうよ!
〇〇:大丈夫なの?
スカイ:うん!
ひまり:お二人は付き合ってるんですか?
スカイ:そうなりたいですね。
ひまり:そうですか。へぇ〜。
スカイの言葉にも驚くし、
ひまりの態度も気になってしまう、
この空気感に耐えられなく、
話題を反らした。
〇〇:そういえば!
スカイさ、美味しいお店知ってる?
ひまりさんに教えてあげてよ!
スカイ:いいですよ〜。
ひまり:有難うございます。
スカイ:食べ物何が好きですか?
ひまり:韓国料理だと、トッポギが好きです。
スカイ:そうなんですね。当たり外れあるんで、
美味しいお店共有しますね!
連絡先交換しましょう!
ひまり:〇〇、送っといて。
〇〇:うん。
スカイ送ったよ。
スカイ:ありがとう。共有しました!
〇〇:そろそろ、次の予定があるので、
失礼していいかな?
スカイ:僕も事務所戻ろ〜。
ひまりさん、今後宜しくお願い致します。
ひまり:宜しくお願い致します。
〇〇:私も改めて、宜しくお願い致します。
スカイ:お会計やるから、2人で外出てて。
〇〇:ありがとう。
そして、カフェを出て、
外でみんなとバイバイをした。
足早に歩き、タクシーに乗った。
そして、深呼吸をして、
外の景色をボーッと眺めた。
広いと思っている世界が
狭く感じた。
そして、
ひまりとの日々を思い出した。
続くと思っていた幸せだった日々。。。
もう、私にはそれはないけど。。。
また、会えた。
ボーッとしながら、
家に着いた。
リビングに入ると、
ヒナがいた。
ヒナ:…あれ?今日美容院だって
言ってなかったっけ?
〇〇:……あ、そうだった。。
もう、いいや。キャンセルしよう。
はぁ〜…。
ヒナ:どうした?
ヒナに事情を説明した。
ヒナ:お疲れ様だわ〜。
仕事引き受けるの?
そんなんで大丈夫なの?
〇〇:うん。もう、ヒナに話したから、
私の中で整理ついた。
ヒナ:そう?
辛かったら、私が空いてる日だったら、
変わるからね。
無理しないでね。
〇〇:うん、ありがとう。
そして、元気がなく、美容院に行けなかった
私を気遣って、ヒナはヘアアレンジしてくれた。
器用なヒナはとても可愛い髪型にしてくれ、
服も選んでくれ、メイクも直してくれた。
〇〇:ヒナやっぱ凄いわ〜。
鏡見るの苦じゃない!
ヒナ:私も楽しい〜☆
〇〇、可愛いぞ〜!
これから、アルマと会うんでしょ?
まーた、ゲーム三昧か?(笑)
楽しんで来なね!
〇〇:うん、ありがとう!
そして、アルマの家へ向かった。
つづく
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