#019 疑
水族館デート以降、
スカイは忙しくなり、
会えない日もあった。
それまでは毎日のように、
無理矢理にでも会っていたからか、
少しだけ寂しく思う日があった。
そんな日々を過ごす中、
珍しい事が起きた。
ヒナ:◎△$♪×¥●&%#?!!!!
ヒナが大声を出して、家を出ていく
のが聞こえた。
キラも何か怒っている声が
聞こえてくる。
2人がこんな激しい喧嘩をするなんて、
初めてだ。
私は部屋に閉じ籠もったまま、
何も触れないでおこうと思った。
数分後、キラが家を出ていくのを感じた。
きっと、ヒナを迎えに行ったのだろう。
けれど、また数分後、
私の携帯にヒナから連絡が入った。
電話越しの声は、震えていた。
ヒナ:『〇〇?ごめんね、うるさくして。。。今からここにこれる?』
〇〇:『うん!いけるよ!キラもさっき家を出た気がしたけど会ってない?』
ヒナ:『いいの。もう…。とりあえず、△△△にいるから。』
〇〇:『わかった!』
先程の様子からして、
凄く心配になったので、
急いでヒナの場所へ向かった。
呼ばれた場所は
繁華街にある、カフェだった。
〇〇:ヒナ!
ヒナ:急にごめんね。。。
〇〇:ううん。気にしないで。
何があったの?
ヒナ:…………。
ヒナは俯いて、暫く考えた後に、
また震えた声で話しはじめた。
ヒナ:……あのね、これから一緒に
クラブに行ってほしいの。。。
〇〇:え?何で?どうしたの?
ヒナ:私はね、〇〇に幸せになってほしいの。
本当の幸せに。
〇〇:???
ヒナ:もしかしたら、私の事、嫌いになるかもしれない。でも…それでもいいの。
〇〇:ぇえ!?ちょっと、待って!?
大丈夫?私はヒナの事嫌いにならないよ?
何があったの?
ヒナ:……言ってることめちゃくちゃだよね。。。分かってる。
だけど、私から話すんじゃなくて、
直接見てほしいの。
〇〇:???
…………わかった。ヒナの好きなようにして?
私は嫌いにならないから。
あ、でもクラブに行くことスカイに伝えておくね。
ヒナ:言わないで!連絡しないで!
〇〇:!!!!
ヒナ:ごめん。。。
大声だして。。。スカイに言わないで。
今から会いに行くから。
〇〇:ん???益々わからなくなってきたよ?
スカイを呼ぶの?
ヒナ:……………。
………リュヲン。。。
それだけ言って、ヒナは泣き始めた。
私は自分の心臓が早くなるのを感じた。
もしかして…、、、。
疑い始めた黒いモヤモヤは
私の心を不安にさせた。
ヒナに案内され、
クラブの中に入る。
ヒナはVIP席出入口が遠くから
見える位置に、私を連れて行く。
しばらく、そこで出入口を見ながら
ボーッとしていた。
周りはまるで世界が違うように、
楽しそうだ。
すると、スカイとリュヲンが
周りに溶け込むように
2人でクラブホールに現れた。
すぐ分かった。
周りは同じような背格好の
男の子は沢山いた。
けれど、分かる。
あれは、スカイだ。
そして、あの子は、
遊園地で見た子だ。
(これは、現実なんだよね?)
遊園地でも思ったが、
やっぱり2人はお似合いだ。
(やばい、泣きそう)
すると視界がいきなり
暗くなった。
左耳から:あんまり、見ない方がいいんじゃない?
(ジョイの声?)
右耳から:あ〜あ、気づくの早いね?
もう少し遅ければもっと良かったのに。
(ラビ?)
ヒナ:…2人とも、どうして分かったの?
ジョイ:ヒナちゃん、キラヒョンが
心配してたよ。
ヒナ:あぁ〜。。。
〇〇:どうして、ここにいるの?
とりあえず、手をどけてもらえる?
思いもよらなかった2人の登場に、
先程の悲壮感がスッと消えていた。
つづく
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