#055 ◆最終回◆
あれから、ヒナからいつ韓国へ来るのかと
催促の連絡が頻繁に来る。
仕事のキリが良くなってきたので、
1週間後にいくことに決めた。
プルルルルル
弟からの連絡が珍しくきた。
〇〇:何?どうしたの?
弟:………ねぇちゃんさぁ、、、
何かヤバイ人達とつるんでない?
〇〇:え?(笑)どうゆうこと?
弟:何回かさ、変な兄ちゃんがインターホン押すんだよ。。。ハット深く被って怪しい奴だから、ずっと無視してたんだけどさ。。。
何年か前にも何回か来て、暫く来なかったんだけど、ここ最近また来るようになったんだよ……。
〇〇:……え?どんな感じの人?
弟:帽子被ってるから良く分からないけど、雰囲気がチャラそうなんだって!でさ、この前はスーツのインテリヤクザみたいなのと一緒でさぁ〜…。。。
本当に怖いんだけど、知り合いなの?
何か毎回手紙入ってるから、捨ててるんだけど。
〇〇:ぇええ!?ちょっと!早く教えてよ!
弟:だって、ねぇちゃんの知り合いだったら
実家にいる事分かってるでしょ?
そもそも、ここに来る事が変だから、
何かヤバイ奴かと思って〜〜。
で、誰なの?
一応、この前の手紙は残ってるよ〜
〇〇:……ちょっと、そっち行くね
そう言い、弟に引き渡した昔の部屋へ
足を運んだ。
恐らく来たのは、スカイだと思う。
インテリヤクザ?はジュンスさん?
だとしたら仕事の連絡の時に
教えてくれそうだけどな…。
そうして、旧私の家に着き、
インターホンの録画を確認した。
やっぱり、スカイだった。
そして、隣はジュンスさんだった。
不思議に思い、手紙を確認した。
そこには短く、
”元気にしてますか?と、
アルマヒョンが大変だから
手伝ってほしい。 byスカイ”
とだけ韓国語で書いてあった。
(アルマ?)
ますます謎が深まり、
とりあえずジュンスさんへ連絡した。
ジュンス:こうやって連絡が来るまで
黙っておこうと思っていました。
〇〇:??? アルマがどうしたんですか?
ジュンス:…実は最近、精神的に凄く辛いみたいで、
常に寝たきりな状態が続いています。。。
〇〇:少し痩せたなとは思いましたが、
映像見る限り、普通な感じに見えますけど?
ジュンス:仕事中は頑張っていますが、
いつ緊張の糸が切れるか分かりません。。。
〇〇:………そんなに悪いんですか?
ジュンス:…………はい。深く寝れた時は常に〇〇さんの
名前を言い続けたりしています……。
〇〇:………。
ジュンス:でも、アルマが乗り越えなくちゃいけない事だと思います。
だから、〇〇さんは自分の道を進んで下さい。
〇〇:………。
いえ、行きます。
すぐ、仕事を終わらせて向かいます!
それから、私は何をやったのか、
仕事をちゃんと終わらせたのか
分からないくらいに、
地に足がついていない感覚のまま、
韓国へ着いた。
どうやって来たのか、
何を準備してきたのかも
覚えていないくらいだった。
ジュンスさんはその日の内に来た
私にビックリしていた。
そして、空港まで迎えにきてくれて、
向かった先は病院だった。。。
〇〇:………入院するほど、悪いんですか?
ジュンス:…念の為、一応です。
〇〇:………
ジュンスさんに案内され、
病室へ入ると、アルマが寝ていた。
映像で見ていたアルマよりも
痩せたアルマがそこにはいた。
〇〇:……ご飯はちゃんと食べれているんですか?
ジュンス:あまり……。
(ごめんね。酷い事しちゃったね。)
(ちゃんと、言えばよかったよね。)
(もう、寂しくさせないからね。)
アルマの頭をそっと撫でようとした瞬間
!!!ガシャン!!!!!!!!!!!!!!
後ろで花瓶の割れる音がした。
振り返ると、鈴木さんが花瓶を落としたまま、
私を見ていた。
そして、そのまま凄い勢いで
こちらへ近づいてきた。
鈴木:今更何ですか!?!?!?!?!?
〇〇:……すみません…
ジュンス:鈴木さんこそ、まだここへ来るつもりですか?
鈴木:…ッッッ
アルマ:……〇〇?
懐かしくもあり、
力のないその声の方を向いた。
アルマ:………僕は幻覚を見るくらい、可笑しくなっちゃったの?
真面目に怖怖とジュンスさんに聞くアルマを
見て、思わず足がアルマへと向かい手を取る。
〇〇:ごめんね。現実だよ。
私、会いたくて来ちゃった。
そう言いながら、泣いてしまった。
泣く資格なんてないのに………。
それをアルマは優しく拭う。
アルマ:知り合った頃みたいだね。
アルマは力なく微笑んだ。
〇〇:うん。
私、あの日からアルマに助けてもらっていたのに。。。
それを自分の成長と勘違いして、
アルマに何も出来ないままいなくなっちゃって、
ごめんね。。。
アルマ:助けたことなんてないし、
そんな事ないよ?
〇〇:ううん。沢山助けてもらったよ。
それでね、1人で勝手に消えて思ったんだ。
綺麗な景色をみたら、
アルマに見せたいって思ったし、
ゲームを始めようとすると、
アルマと一緒じゃなきゃつまらなくて
すぐ辞めちゃうし、
料理もついアルマと一緒に作ろうって
考えちゃっててさ、、、。
常にアルマと一緒だったんだなって。
だからね、最近会いたくてたまらなかった。
自分の気持ちに気づくのが、
遅すぎてごめんなさい。
私は姿勢を正し、お辞儀をした後、
アルマの手を再び強く握り、
続けて話し始めた。
〇〇:私、アルマの事が好きです。
こっちに……アルマの側に戻ってきていいかな?
泣きたくないのに、涙が止まらなく出てくる。
アルマ:もちろんだよ。
そう言い、アルマは身体を私の方へ寄せて来て、
キスをした。
長く優しいキス。
アルマと目が合い、その目は力強く感じた。
ジュンスさんと鈴木さんはいつの間にか
いなくなっていた……
〜数ヶ月後〜
ガチャ
(玄関の開く音)
アルマ:マイハニー!ただいま!
〇〇:あ、おかえり〜!
スカイ:お腹すいたぁ〜〜〜
〇〇:今日はね、この前アルマが釣ってきた
タイを昆布締めにして、酒蒸しにしてみたよ〜✨
スカイ:お〜!美味しそう!
アルマ:本当だね〜!って、いつまでお前は
家にいるんだ!?
スカイ:ずっとですよ〜
アルマ:や〜、それは困るよ〜。
と、言いつつ、スカイの食器等を準備する。
スカイ:アルマヒョン、早くヒョン達と仲直りして
下さいね〜。やりにくいよ〜。
アルマ:それは彼奴等が話してくれなきゃ無理だよ〜
あれから、アルマは順調に回復し、
普通に戻り、通常運転になった。
その回復力は凄く、ジュンスさんに感謝されたが、
恐らく鈴木さんから逃れられたのが、
大きな原因だろう。
鈴木さんは流出事件後、
事務所から契約を切られ、
アルマのストーカーになっていたらしい。
だが、自殺未遂をした鈴木さんの事を
無下に出来なく、アルマはそのまま
深い闇に飲み込まれそうになっていた。
戻ってきたあの日、ジュンスさんが厳しく
鈴木さんを叱ったらしい。
そして、私も後日鈴木さんと会い、
謝罪と話し合いをした。
それから、ストーカー行為もなくなり、
今現在の日々が続いている。
ただ、付き合う事をメンバーに話した日から
ラビとジョイとは険悪になってしまったみたいだ。
けれど、それほど気にするような事ではないとアルマは言う。
そして、スカイは何故か私とアルマが暮らしている家に
毎日いる。
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アルマの肩に寄りかかりながら、
ゲームをする空間が何よりも幸せな時間。
ゲームに夢中になっている横顔が、
ふと私に気付き、軽くポッポをする。
そして、またゲームをし始めるが、
彼の耳が赤い。
それを笑うと、延々と愚痴愚痴言ってくる。
この愛しい空間を、何と呼べばいいのだろうか。
あの日、私を気にかけてくれて、ありがとう。
好きになってくれて、ありがとう。
運命の人は優しくいつも隣にいました。
おわり
•¨Thank you•.¸¸☆*・゚
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