045 過去と変化したい心
ラビ:どこに行く?
〇〇:とりあえず、家に帰ってアルマからの
連絡まってようかな。
ラビ:わかった。
家に着き、車から降りた。
〇〇:送ってくれてありがとう。
ラビ:気にしないで。
お疲れ様。じゃあ、僕も家に帰るね。
またね!
〇〇:うん、またね!
てっきり、家に上がるのかな?って
思っていた私はラビの行動に驚いた。
最近、ラビは私との距離をおいているように
感じる。
それは、それでいいのだが、
何だかモヤッとした。
玄関に入ると大きな鏡がある。
それに映った自分の姿にギョっとした。
ここ最近、仕事で忙しかったからなのか、
あまりに男性が近くにいる生活が普通になって
気を抜いていたのか……。。。
なんだか、凄くダサくてモサい自分がいた。
鏡に映る自分と向き合っていると、
ヒナが声をかけてきた。
ヒナ:〇〇!?なにしてるの(笑)?
〇〇:あ、ヒナ。…なんか、私モサくない?
ヒナ:……そうしてたんじゃなくて?
〇〇:いや?
ヒナ:そうなんだ?てっきり男ウケ良いから
そうしてるのかと思ってたわ〜!
〇〇:えぇ〜、全然考えてなかった…。
ヒナ:そっかぁ。ねぇ、なんで気になったの?
もしかして、好きな人……。
え……まさか!ひまりいるから気にしてるの?
〇〇:いや…
ヒナ:ちょっと!何やってるの!?
あの人はもう過去の人でしょ?
今回も仕事だから、そうゆう事ないような
感じだから引き受けたんだよね!?
また戻るの?
韓国まで来たのに!?
〇〇:そうだよ?
ひまりは本当に何もないよ。
ちょっと、落ち着いて。
そうじゃないから。
ヒナ:ごめん。先走ったわ。
で、なんで急に気になりだしたの?
〇〇:たまたま鏡見て、思っただけ。
何ていうか…多分、最近事務所で仕事だから
かわいい女の子目にする機会もあって、
目が麻痺してるんだと思う。
ヒナ:あ〜、アイドルとかか。
その子達と自分を比べたら駄目だわ(笑)
〇〇:だよね(笑)
ブーブー(着信バイブ音)
ヒナは電話でな〜と言いながら、
頑張れよ〜みたいな感じで
手を振りながら自室へ戻っていった。
〇〇:『アルマ、鈴木さんとの話し終わったの?』
アルマ:『うん、終わった。おまたせ。
何処にいるの?』
〇〇:『家に帰ってるよ』
アルマ:『ラビは?』
〇〇:『自分の家に帰った』
アルマ:『お?そうなんだ?
じゃあ、迎えに行くね?』
〇〇:『分かった』
暫く待っていると、
アルマが車で迎えに来てくれ、
それに乗り込んで、アルマの家へ向かった。
車内はいつも何かと煩いアルマが
静かだった。
家につき、ソファーで暫く気まずい雰囲気が流れた。
アルマ:あのさ…
〇〇:うん?
アルマ:これは言う事じゃないかもしれないけど、
鈴木さんにさっき告白されたんだ。
一応言っておくね。
〇〇:うん。
アルマ:ビックリしたよね。本当に。
まさか鈴木さんが僕に好意をもってるなんて。
いや〜、本当にビックリだったよ。
〇〇:分かってたけどね。
アルマ:え!?本当に!?
〇〇:うん。アルマくらいだよ。
気付かなかったの。
アルマ:え!?
〇〇:それで?どうしたの?
アルマ:もちろん、断ったよ。
ありえないって。
〇〇:鈴木さんは?それで何だって?
アルマ:諦めませんって言ってたわ〜。
〇〇:アルマはどうするの?
アルマ:だから、ないって。
僕は〇〇が好きなんだよ?
〇〇:私が好きにならなかったら?
アルマ:それはその時に考える。
今は〇〇が近くにいてくれるだけでいい。
それ以上求めてくれたら、いつでも。
待ってるよ。
〇〇:うん…。
あのさ、鈴木さんはアルマから見てどんな人なの?
アルマ:彼女は可能性が凄くあるよ。
元々のビジュアルはもちろんだけど、
ダンスと歌はここ最近かなり伸びてるよ。
だから、僕なんかを見ないで、
もっと違う事に集中するべきだと思う。
彼女の本気をみてみたいよ。
〇〇:凄い子なんだね。
アルマ:そう思うよ。
なんだか自分から聞いておいて、
凄く落ち込んだ。
そして、そんな自分がもっと嫌になった。
アルマ:〇〇は特別。
僕だけを見ていてほしいって思ってるよ?
〇〇:ハハっ。ありがとう。
アルマ:…
(じーっとこっちをみている)
〇〇:何?
アルマ:嫉妬した?
アルマは少し口角をあげて、
ニヤッとし、頭を撫でてきた。
〇〇:う〜ん、嫉妬なのかな…?
ここに来る前に鏡を見て少し絶望してたから、
ビジュアルって言葉に敏感になったのかも…。
アルマ:(笑)
まぁ、ビジュアルは大切だよね!
〇〇だって気を使ってるじゃん。
美容室行ったり!
〇〇:まぁ…そうだけど。。。
アルマ:それよりさ、久しぶりにゲームしよう!
〇〇:そうだね。やろう〜!
それから、アルマとゲームをして
時間が過ぎた。
アルマ:ねぇ?
ゲーム画面に夢中になる私の肩を叩き、
耳元で呟いた。
横を振り返ると、
アルマとそのままキスを交わした。
〇〇:!?
一旦唇は離され、
アルマはこう言う
アルマ:〇〇はそのままで充分だよ?
だから、頑張らないで。
そして、これからも僕は
〇〇しかみてないよ。
それだけは信じてて。
そして、またキスをする。
私は本当にこのままでいいの?
このままだと、
みんなに
おいていかれる。
きっとそう。
幸せだと思って気を抜くと
それは突然なくなる。
だから、信じたくない。
アルマからの言葉が本心だったとしても、
信じたら、きっとなくなってしまう。
無い事が当たり前のようにしないと、
無くなった時に自分が耐えられないから。
アルマ:〇〇?大丈夫?
〇〇:ん?どうしたの?
アルマ:……何か飲み物持ってくるね。
アルマはそれ以上はせず、
キッチンの方へ消えて行った。
〇〇:(なんか、今日のアルマ少し変だな。
鈴木さんの事があったからかな?)
飲み物を持ってアルマが戻ってきた。
アルマ:明日さ、打ち合わせだけだから
終わったら買い物いかない?
〇〇:うん。何か欲しいものあるの?
アルマ:うん。〇〇とお揃いの物なにかほしいな。
二人だけの。
〇〇:どうしたの?突然。
アルマ:ん?そう?前から思ってたんだ〜。
〇〇:そうなの?うん、行こうか。
それから、私達はゆっくりと
ゲームをして時間を過ごし、
眠りについた。
寝ている間、何度も目を醒ます。
アルマが頭を撫でたり、キスをするから。
寝ぼけながら見るアルマは何だか
悲しそうだった。
アルマを抱き寄せ、また眠りについた。
〜翌朝〜事務所打ち合わせ〜
ひまり:明日の合同撮影は〇〇来なくて
大丈夫だから
〇〇:え!?どうして??
ひまり:ジュンスさんにも話し通してあるから
〇〇:だから、どうして!?
ひまり:…ゆうこさんこっちくるんだ。
急に来ることになって、伝えるの直前になった。
〇〇:……ッッッ!
ひまり:ごめん。。。
〇〇:謝ることじゃないよ。
私は大丈夫。じゃあ、明日は行かないね。
ちょっと、外にでて落ち着いてくるね。
パシッッッ
ひまりが手首を握って、私のはやる足を止めた。
ひまり:〇〇はゆうこさん嫌?
〇〇:……は?
嫌なのは向こうなんでしょう?
ひまりがゆうこさんをとったんじゃん。
……なんで、今こんな話?
仕事集中したいから、頭冷やしてくる!
バルコニーのような場所へ出て
動揺を落ち着かせた。
ゆうこさん。
私とひまりが別れる原因になった人物。
ただのメイクさん。
そう思っていた。
蓋をあけると、
日本の芸能界で人脈が凄くあり、
気に入られると、その人は芸能界で
華を咲かせられる。
逆に嫌われると、芸能界では
生きていく事が出来ない。
ひまりはマイナーの頃から、
ゆうこさんに気に入られていた。
—過去—
ある日、ひまりに言われた。
【ひまり:ゆうこさんが〇〇と別れろって。
〇〇:嫌だ。ひまりはそんな事で私と別れるの?
ひまり:別れたい。
〇〇:……
ひまり:じゃあ、元気でな】
嫌な記憶。
それから、ひまりは複数の女性に同じ事を言っていたみたいで、
ネットが荒れた事を後から知った。
自分意外にも彼女がいたのかな?
ゆうこさんって本当はどんな人なの?
色々ひまりに聞きたかった。
だけど、それを聞く事もできなかった。
今、こうして普通に話せているのが、
とても不思議だった。
それなのに…
何も変わってなかった。
大きなため息をつき、
気持ちを切り替えようとした。
〇〇:!!!!!!!!
後ろから誰かに思いっきり
抱きしめられた。
スカイ:どうしたの?
スカイは腕を緩めることなく、
ギュッと抱きしめてくる。
今は少し、ありがたいと思い
その腕は解かなかった。
スカイ:ねぇ?どうしたの?
〇〇:ん?ないしょ〜
スカイ:そっか。突然だけど…
loveで〜す!
そう言って、悪戯に笑うスカイを
見ると何だか救われた気持ちになった。
スカイの頭をワシャワシャと撫でた。
スカイ:僕は犬?(笑)
でも、〇〇がなれって言ったらなるよ?
それで元気になる?
〇〇:ウソつけ(笑)
スカイは犬にならないよ。
元気だよ。ありがとう。
スカイ:あ、ねぇこの後暇?
〇〇:アルマと買い物いくよ。
スカイ:僕も一緒に行こう〜
〇〇:アルマに聞いて?
ねぇ、あと何かアルマ変じゃなかった?今日。
スカイ:…特に何も?
〇〇:そっか。
スカイと一緒に打ち合わせに戻ろうと、
バルコニーから廊下に戻った。
すると、練習生集団とすれ違った。
みんなスカイに深い挨拶をして、
すれ違った。
その時に
私だけに聞こえるように
耳元で誰かに囁かれた
???:調子にのるなよ、ブス
ドスの聞いた声で、一瞬誰か分からなかった。
声の方を見ると、
鈴木さんと目があった。
(今の声は鈴木さん?)
鈴木さんの顔を今一度確かめるように
見てみるが、
いつもの可愛らしい顔で、他の練習生達と
話していた。
……何だったんだろ…
スカイ:〇〇?行くよ?
〇〇:あ、うん。
そして、仕事に戻り、
先程の自分の気持ちは押し殺して
通常通りに振る舞った。
退勤時間になり、
アルマは私を急かすように、
車へ乗せて、事務所を出発させた。
運転しているアルマに問いかけた。
〇〇:スカイは?
アルマ:来たいって言われたけど、
置いてきた(笑)
後でスカイの家に連れて行くね。
僕は……練習があるから…
〇〇:???そっか。
頑張ってね。
アルマ:何のお揃いがいいかな〜♪?
〇〇:思ったんだけど、アルマにもらった
エタニティリングのブラックダイヤver.とかないかな?
アルマ:おー!いいね!でも〇〇はそのままじゃん。
〇〇:これお気に入りだからいいの。
でも、アルマの凄く高いかな(汗)
アルマ:気にしないで!
じゃあ、それあるか見に行こう!!!
お店に着き、
店員さんに品物を出してもらうと、
丁度良い品があったので即決した。
アルマ:わぁ、僕に凄く似合う。
〇〇:本当に(笑)(^^)
アルマ:これで、2人だけでお揃いだね!
〇〇:うん。
アルマ:大切にする。
〇〇:うん?
アルマ:じゃあ、行こうか!
そして、弾丸だった買い物が終わり、
スカイの家のマンションで下ろしてもらい、
アルマは練習へ向かった。
スカイに連絡して、
マンション内に入れてもらい、
家へ入ると。
食べ物とお酒が何かのパーティーのように
お洒落に用意されていた。
〇〇:何これ?
スカイ:アルマヒョンに置いていかれたから、
色々準備してた(笑)
好きなものを飲み、お食べ〜
〇〇:え…どうしたの?
珍しく、私のお腹に優しいな(笑)
スカイ:ん?最近〇〇頑張ってるから。
ダイエットも頑張ってるでしょ?
今日は頑張らなくていいよ。
〇〇:そう?そんなに頑張ってないけど…(笑)
スカイ:いや、頑張ってるよ!
〇〇:じゃあ、いただきます(笑)
スカイ:うん!
スカイと乾杯をし、
飲み食べ始めた。
〇〇:明日撮影なのに、大丈夫なの?
スカイ:気にしないで!はい、乾杯!
きっと、スカイは何かに気付いてくれているんだろう。
その優しさに今も甘えている。
このままじゃ駄目なんだろうな。
強くなりたいな。
変わりたい。
どうしたら、いいのかな。
そう思い、
スカイと目を合わせて、
乾杯をした。
つづく
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